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盛り上がる太陽光発電システムへのサポート
 風力やソーラーなどの自然エネルギーを使った電力の普及は、これまでなかなか進みませんでしたが、ここに来て一気に拡大する可能性が出てきました。住宅用太陽光発電システムへの補助や優遇制度がスタートするからです。太陽光発電に関わるリフォームや住宅取得に対するローンも充実してきました。そこで、今回はソーラーをめぐるローンの最新情報をお届けします。
情報提供日/2008年7月9日
国の補助金復活で、太陽電池へ熱い視線

 ソーラーパネルで太陽光を受けて電気エネルギーに変換する太陽光発電システムは、二酸化炭素(CO2)や排ガスなどの出ないクリーンな発電方式です。いわゆる“太陽電池"といわれるもので、15年ほど前から住宅用が登場しました。

 1994年度から(財)新エネルギー財団(経済産業省所管)による導入促進事業がスタート。システム設置費用の一部に対する補助が行われていました。当初、発電量1kW当たり200万円を超えていた価格は、技術開発や量産化につれて次第に下がり、10年で同60万円台になっています(図1参照)。価格の低下とともに補助金の額は抑えられ、2005年度を最後に補助制度が廃止。それ以降、価格は足踏み状態でした。

図1.住宅太陽光発電システム設置価格の推移

 大きな変化の兆しが出てきたのが、この6月。洞爺湖サミットを控えた6月9日に、地球温暖化の総合対策として福田首相が打ち出した「『低炭素社会・日本』をめざして」(福田ビジョン)で、太陽光発電を2020年までに現在の10倍、30年までに40倍に増やすことを目標に掲げたのです。これは、20年時点で新築持ち家の7割に太陽光発電システムが設置されている状態に相当します。

 これを受けて経済産業省が新エネルギー政策の緊急提言を出し、住宅用太陽光発電システムへの補助金の復活、住宅ローンの税制優遇措置を設ける方向性を打ち出しました。現在、発電量3kWのシステムで1戸当たり約230万円の設置費を、3〜5年で半額程度まで下げることも目標になっています。

 漠然と自然エネルギー全体を推奨するのではなく、特に太陽光発電にスポットを当てて促進を図る動きを見せているのがポイント。こうした動きを睨みながら、ソーラーを軸にしたエコハウス向けの住宅ローンも拡充される可能性が出てきたのです。

ソーラー対応のエコハウスに金利優遇や新型ローン登場

 エコハウス向けの住宅ローンといえば、従来の補助制度が終わった05年前後は、太陽光発電装置を搭載する商品を開発していたハウスメーカーとの提携ローンが中心でした。ここ数年は、特定のメーカーに縛られず、幅広く対応する融資が増えています。

 もっとも多いパターンが、太陽光発電装置を設置しているマイホームを購入・建築する際に、通常の金利優遇サービスに加えて、プラスアルファの優遇措置を行うというもの。ほとんどは、太陽光発電装置だけでなく、オール電化やガス省エネシステム(エコウィルやエコジョーズなど)の搭載も条件に入っています。
 たとえば、琉球銀行、東邦銀行、栃木銀行、山梨中央銀行などの地方銀行では全期間0.1%の上乗せ優遇を実施。なかでも優遇幅が大きいのは、武蔵野銀行の「むさしのエコハウス住宅ローン」。通常より0.4%もプラスで優遇されます。

図2.二世帯住宅向けローンの例
金融機関 名称 融資対象 融資限度額 最長返済期間
大垣共立銀行 太陽光発電ローン 太陽光発電システムの購入・設置資金およびその際の住宅増改築資金。
700万円
20年
飯塚信用金庫 太陽光発電・オール電化ローン 太陽光発電およびオール電化設置資金
400万円
10年
スルガ銀行 カーボンオフセット型住宅ローン オール電化住宅、住宅用太陽光発電システム搭載住宅、環境共生住宅などの購入・建設・リフォーム資金
1億円
40年

 太陽光発電装置の導入、リフォームに対して融資する商品もあります。たとえば大垣共立銀行の「太陽光発電ローン」は、最大700万円までを原則無担保で融資するローン。返済期間も最長20年とゆとりがあります。通常のリフォームローンに比べて0.25%程度、金利が低めに設定されています。

 ユニークなのは、スルガ銀行の「カーボンオフセット型住宅ローン」。カーボンオフセットというのは、途上国など他のエリアで行われているクリーンエネルギー事業・植林・森林保護などの温室効果ガスの削減活動に投資したり、排出権を買ったりすることによって、自ら排出しているCO2を相殺するという考え方。スルガ銀行の新商品は、1世帯につき毎年2トンの排出権を同行が取得して国に移転することによって、ローン利用者と一緒に地球環境温暖化に貢献しようというもの(移転は2012年まで)。
 オール電化住宅、住宅用太陽光発電システム搭載住宅、環境共生住宅などの購入・建設・リフォームに利用する資金で、融資額は最大1億円まで。返済期間は最長40年と、通常より5年間長くなっています。

 三菱東京UFJ銀行も、大手都市銀行としては初めて、エコハウス向けのリフォームローンの取り扱い開始を発表しました。三井住友銀行でも、太陽光発電を条件にしているわけではありませんが、環境配慮型住宅を購入する際のローンにカーボンオフセットの仕組みを採り入れたキャンペーンを実施しています。今後も、こういった動きに追随する金融機関が登場しそうです。

自治体の「太陽光発電システムの設置支援制度」にも注目

 さて今回は、太陽光発電に対する国の補助や税制優遇についてのニュースがクローズアップされたわけですが、実は、地方自治体では「太陽光発電システムの設置支援制度」を継続して実施しているケースが少なくありません。

 (財)新エネルギー財団の調査では、2008年度に同制度を実施しているのは全国で、42都道府県、314自治体に上ることがわかっています。実施するのは市区町単位です。同制度がないのは、青森、秋田、長崎、大分、宮崎の5県のみ。

 もっとも制度が普及しているのは愛知県の33自治体。次いで三重県、東京都、長野県、静岡県となっています。
 制度の内容は補助金がほとんど。金額は千差万別で発電量1kW当たり1万円から10万円、最高限度が3万円から60万円です。もっとも補助金額が高いのは、愛知県田原市で、15万円/kW、上限60万円(補助対象経費の3分の1以内)でした。一部の自治体では利子補給や融資あっせんも行っています。

 民間ローンや自治体の動き、国の政策を見ながら、マイホームへの太陽光発電について前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

図3.2008年度に太陽光発電システムの設置支援制度を実施している自治体の例


港区、品川区、杉並区、北区、板橋区、足立区、葛飾区、武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、町田市、小金井市、東村山市。08年?/文京区、墨田区、江東区、豊島区、練馬区、国分寺市、狛江市、清瀬市、多摩市


愛知県、豊橋市、岡崎市、一宮市、半田市、春日井市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、知多市、日進市、田原市、愛西市、北名古屋市、長久手町、豊山町、大口町、美浜町、幸田町、三好町、設楽町。08年〜/犬山市、弥富市、阿久比町


泉大津市、茨木市。08年〜/豊中市、池田市、高槻市、富田林市、箕面市
(3大都市。07年度も実施していた自治体と08年から開始する自治体)


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