今回は子育て中のファミリーの資金プランについて考えてみましょう。
ファミリーの特徴は、シングルやずっと共働きを続けるディンクスに比べて、収入と支出が大きく変化しやすいことです。
お子さんが小さいうちは専業主婦でも、手が離れたらパートに出ようと思っている方も多いでしょうし、その逆もありそう。支出については、お子さんの成長によって教育費の負担が重くなるといった変化が考えられます。収入や支出が変化すれば、ローン返済に充てられる額も変わってくるでしょう。
具体的な資金プランを検討する前に、今後、家計がどう変化しそうか、長期的な視点で考えてみることが大切です。
「7年後に長男が中学進学、9年後に長女が中学進学」
など、何年後に支出が変化しそうなことがあるか、具体的に整理してみるのがお勧めです。
今回は、すでにお子さんが大きく、妻がパート勤務で収入を得ているなど、今後、収入が大幅に増える可能性が小さい家庭、しばらくは返済に充てられる金額が増えそうにない家庭の資金プランについて考えます。
返済能力のアップが期待しにくい家庭の場合、最も重要なのは返済額を安定させることです。
住宅ローンの金利には、借り入れ後も金利上昇によって返済額が増えるタイプのものもありますが、金利上昇リスクのない、長期固定型のローンを選んだ方が安全でしょう。
長期固定型のローンとしては、フラット35があります。金利は金融機関によって異なりますから、有利な金融機関を選びたいもの。また民間の金融機関にも、長期固定型のローンを扱っている例がありますので、要チェックです。
長期固定型は安心感がある代わりに、固定期間選択型や変動型に比べて金利が高めです。利息負担を抑えるためには、返済期間を短くできないかを検討してみましょう。返済期間は1年刻みで決めることができます
3000万円を金利2.954%で借り入れる場合、35年返済では毎月返済額は約11万5000円。これを毎月2000円多くするだけで1年短く組むことができ、総返済額は約59万円軽減できます。さらに月1万1000円多く返せれば、返済期間は30年、総返済額は約290万円少なく済みます。
気をつけたいのは、教育費の負担増による支出の変化です。
高校まで公立を考えている場合でも、中学生からは塾代などの学校外教育費が増えます。返済額は、教育費がピークを迎える大学在学期間もムリなく返済できる範囲に抑える必要があります。返済期間を短くしすぎると毎月の返済額が多くなりますから、「ムリのない範囲で短く」を心掛けることが大切です。
返済期間を短くするには、繰り上げ返済という方法もあります。毎月返済額は抑え目にし、余裕がある時期には貯蓄をして繰り上げ返済を行なう作戦です。
3000万円を金利2.954%で借り入れる場合について試算してみましょう。
25年返済では毎月の返済額は約14万2000円で、総返済額は約4246万円となります。対して30年返済では、毎月の返済額は約12万6000円、総返済額は約4527万円。25年返済に比べて281万円以上も多くなります。
しかし、借入から5年おきに3回、約100万円ずつ、20年後に約180 万円を繰り上げ返済すれば、返済期間が5年分短縮できます。総返済額は約4266万円に軽減され、25年返済で借りた場合との差額は20万円程度まで縮小されます。
教育費は金額の予定がつきにくい面もありますから、焦って繰り上げ返済するのは考えもの。繰り上げ返済で預貯金に余裕がなくなり、教育ローンを組むといった事態になると、住宅ローンより高い金利負担を負うことになりかねません。
返済額アップの心配がない長期固定型の中から有利なものを選択。毎月の返済は無理のない範囲にし、ゆとりのあるときに繰り上げ返済をする。これが、しばらくは返済に充てられる金額のアップが望みにくい、ファミリー向けの資金プランといえるでしょう。