住宅ローンを知ろう > インタビュー 「不動産営業マンが明かす、住宅ローンの舞台裏」PART2

インタビュー 住宅ローンの舞台裏2

不動産営業マンが明かす、住宅ローンの舞台裏

Part2 隠された家庭の事情が露見する!?

 
 
Tさん
Tさん(32歳)/建売住宅の開発分譲会社とリゾートマンションの販売会社に通算8年間勤める。現在、IT関連会社勤務。
 
Kさん(35歳)/新築マンションの販売を手がける大手住宅販売会社に12年間勤務。現在も不動産関連会社に勤める。
Kさん
 
 
 
 マイホームは人生最大の買い物。そこで思いがけない“事件”が起きることも・・・。住宅ローンをめぐる人生悲喜こもごも、元不動産会社営業マン2名が曝露します。
資金計画を途中で変えるマニアックな困ったクンたち
---住宅ローンの事前審査も通って、売買契約を結んだ後に、困ったことはありますか?
K 資金計画を何度も変更する人がいましたね。最初、住宅金融公庫で申し込んでいたのに、それをキャンセルして財形住宅融資に変えるとか。財形のほうが金利は低いので、 少しでも負担を軽くしたいという気持ちはわかりますけど、その度に、変更手続きに振り回されたりして・・・

T 手間が増えても、追加で手数料をもらえるわけじゃないから、忙しいときは困りますよね。
Kさん
Tさん K すごくマニアックな人もいましたよ。とりあえず財形を100万円分だけ申し込んでおいて、他に有利なローンがなければ最終的に財形の借り入れ金額を増やす。増額するぶんには、条件の変更で済みますから。

T 借りもしないのに、やたら何本も公的融資を申し込んでおくという人もいますね。書類を書くだけでも大変なのに・・・
 
隠れた借金が表沙汰になって離婚!
---事前審査では大丈夫だったのに、ローンを申し込んで本審査になってからダメになる場合とかもあるんですか。
Kさん K ある婚約中のカップルがいて、契約のときまでは新婚生活を新築のマイホームで送れるって、アツアツだったんですけど・・・その二人、共稼ぎで、ローンを申し込むときに収入合算してたから連帯債務になるんですよね。
  で、個人信用情報で調べるでしょ、そしたら、実は男性のほうがサラ金に借金があることが発覚しちゃって。婚約解消ですよ。

---えー、じゃ、契約もキャンセルですよね。踏んだり蹴ったりですね。
T  僕も似たようなケースがありましたよ。ご夫婦だったんですけど、ご主人に多額のカードローンがあって。審査は通ったんですね。でも、借り入れ金額を数百万円も減額されて、険悪な雰囲気だった。

K あるよね、ドロドロのケース・・・・
T あと、一流企業に勤めている方で、収入も十分にあって、絶対問題ないと思ってたのに、やっぱりカードローンで引っかかった。

K 遊びまくってたの?

T そうじゃなくて、接待交際費とか出張費を自分のカードで仮払いして、後で精算してた。毎月のカードの支払い額がべらぼうなんですよ。でも、審査では仮払いだからという言い分は通用しなくて、銀行から『カードを解約してください』といわれてましたね。

Tさん
---ローンの審査では、けっこう家庭の事情とか、生活実態とかが表沙汰になってくるんですね。
K 見えちゃいますね。

T どんな借金をしているか教えないといけませんから。申し込みの時に、『他債務』という欄があって、住宅ローン以外の借金を書くんですけど、わからないと思って書かないことがあるんです。でも、必ずばれますよ。

---新婚さんや婚約中のお二人は、よくお互いのことを話し合っていたほうがいいですね。こわい、こわい・・・
ローンが借りられない・・・?! 団信の落とし穴
---ローン契約を結んで、融資が下りる段階、つまり残金決済・物件引き渡しの時になって、ありがちなトラブルは?

K 頭金を1000万円入れる予定だったのに、親が病気で倒れて大金がかかるから、頭金が足りなくなったことがありました。実際は逆パターンが多いですけど。ローンの申し込んだ後にガッツで貯めてこんで、頭金を増やしたから借り入れ金額を減らしてくれとか。
Tさん T 僕の場合、リゾート物件をやってるときは、購入者に会社経営者も多かったので、会社の経営状態が悪くなって資金手当がつかなくなったりしたことはありました。
  特にITバブルの頃は、ほとんどキャッシュで買えるという前提で申し込んでるんですよ。そのキャッシュは株を売って用意する人が多い。でも、1年後にITバブル崩壊で株価が暴落して、用意できなくなって、買えなくなったとか。

K そういえば、決済を1カ月待ってくれっていう人もいた。まだ株価が低いけど、もうちょっとしたら戻るからって(笑)。
---予想外のことが起きて、印象的だったことはありますか?

K 
一番びっくりしたのは、団信に入れなかったケースですね。

---団信、つまり団体信用生命保険への加入は、融資の必要条件ですよね。団信に加入できないと、最初のローン審査自体が通らないんじゃないですか。重度の高血圧とか糖尿病とか、一定の持病があると加入できませんよね。
K 申し込んだ時は大丈夫だったんですよ。でも、団信の審査って、健康状態の告知後3カ月以内が有効期限なんですね。
  未完成の新築マンションなんかだと、申し込みから引き渡しまで1〜2年、間がある場合がありますよね。そうすると、ローン契約の直前に、もう一度、告知をして、団信の審査を受けないといけないんです。その前に病気になっちゃった。で、団信に加入できなくて、ローンが借りられなかった。

---でも、告知って自己申告ですよね。「3カ月以内に○○病になったことがありますか?」っていう質問に、とりあえず全部「いいえ」って答えておいたら・・・


K いや、ウソをついて後で発覚したら保険がおりませんから、残された家族は大変ですよ。正直に書かないといけませんね。
Kさん
---なるほど、住宅ローンって、お金のことだけじゃないんですね。みなさん、健康状態には、くれぐれも注意しましょう。
illustration:パイナップル遠藤
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